投稿日:2023年9月6日
最終更新日:2023年9月29日
重量鉄骨鉄骨

重量鉄骨のメリット・デメリットとは?特徴や価格、耐久性などをくわしく解説

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WRITER 中村しょう子
建築士
二級建築士/建築専門ライターとして活動。 二児の母としても奮闘中! カヤノキ建設ウェブサイトのコラム執筆を担当しております。
重量鉄骨のメリット・デメリットとは?特徴や価格、耐久性などをくわしく解説

重量鉄骨のメリット・デメリットとは?特徴や価格、耐久性などをくわしく解説

家を建てる際には、間取りやデザインだけでなく「構造」もきちんと選択すべき重要な要素です。
強度とコストパフォーマンスで選べば、おすすめしたいのは「重量鉄骨造」!重量鉄骨造はビルなどの構造にも採用される非常に強度の高い構造です。
このコラムでは、重量鉄骨造のメリットやデメリットをわかりやすく解説します。
「家づくりは耐久性も価格も妥協したくない!」とお考えの方は、ぜひ参考にしてくださいね。

重量鉄骨造でつくる家

重量鉄骨造とは

住宅の構造は主に、木造、鉄骨造、鉄筋コンクリート造(RC造)に分けられます。
鉄骨造はさらに軽量鉄骨と重量鉄骨に分けられ、鋼材の厚みが6㎜未満のものが軽量鉄骨、6㎜以上のものが重量鉄骨となります。
重量鉄骨造の家は、柱や梁部分に強度の高い鋼材を使い、接合部をボルトで剛接合することで緊結します。そのため非常に頑丈な構造となることから、マンションやビル、工場や倉庫などの建築にも採用されることが多い構造です。

重量鉄骨造で可能な家づくり

重量鉄骨造は、一般的に木造では難しいとされる3階・4階建てといった住宅でも建築可能です。
また、構造強度の高さから間仕切りのない大空間をつくれるのも特徴の一つ。平屋や2階建てでも、木造では難しい天井高さのある広々とした空間や、大開口がある開放的な空間をつくることが可能になります。
店舗兼住宅や二世帯住宅にもおすすめの構造といえるでしょう。

重量鉄骨のメリット

重量鉄骨造で建てた家にはどんなメリットがあるのでしょうか?具体的にみていきましょう。

強度が高い

重量鉄骨造の第一のメリットといえば、なんといっても強度が高いことです。
総務省が発表する住宅における各構造の法定耐用年数※は、次のとおりとなっています。

  • 木造:22年
  • 軽量鉄骨造:27年
  • 重量鉄骨造:34年
  • RC造:47年

RC造には及びませんが、木造や軽量鉄骨造と比較すると非常に長い耐用年数であることが分かります。
さらに、重量鉄骨造は地震にも強い点が大きなメリットです。
木造や鉄骨造に比べ骨組みの強度が高いため、地震力に耐えながら揺れの影響も受けにくくなります。

参考:総務省 建物の耐用年数表

参考:総務省 建物の耐用年数表

大空間・自由な間取りが可能

重量鉄骨造は、ラーメン構造と呼ばれる強度の高いフレームによる工法を用いるため、木造などで通常必要とされる「耐力壁」を必要としません。
必要最低限の柱と梁だけで構造が成り立つため、壁の位置を考慮せずとも自由な間取りで広々とした空間づくりが可能になります。
リフォーム時にも間取りを自由に変えられるため、ライフスタイルの変化にも柔軟に対応できる家の構造といえるでしょう。

品質が安定しやすい

例えば木造では、同じ樹種を用いても自然の材料である以上、微妙な質の差を避けることはできません。さらに現場で加工・取付する職人の腕についても一様ではなく、事前にそれらを見極めるのは難しいことです。
重量鉄骨造の鋼材はすべて規格が定められ工場で生産されます。結果として現場加工もなく、一定の品質が保たれるのです。

重量鉄骨のデメリット

メリットが多い重量鉄骨造ですが、いくつかのデメリットがあるのも事実です。正しい選択のためにも、デメリットをきちんと理解しておきましょう。

建築費用が比較的高い

国土交通省がまとめる「建築着工統計調査」※から、22年次の住宅における構造別の坪単価を計算すると次の結果となりました。

  • 木造:57.9万円/坪
  • 鉄骨造:87.9万円/坪
  • RC造:89.7万円/坪

重量鉄骨造の家は木造に比べ建築費用が高くなる傾向にあります。
重量鉄骨造の家を建てるためには、重い構造体を支えるための地盤と基礎も必要になります。木造に比べ強度の高い基礎、必要に応じて地盤補強が必要になるため、鋼材の材料費とあわせた建築費の総額が高くなるのです。
しかし、RC造よりは安い点は見逃せません。強度と価格のバランスの良さでみれば、鉄骨造の魅力はとても高いといえるでしょう。

※参考:国土交通省 建築着工統計調査 2022年次

※参考:国土交通省 建築着工統計調査 2022年次

外気温の影響を受けやすい

鉄骨の鋼材は熱を伝えやすい性質があるため、室内温度が外気の影響を受けやすい点は注意が必要です。必要な対策を講じなければ「夏熱く冬寒い家」となってしまう恐れがあります。
重量鉄骨造で快適な家をつくるためには、窓・外壁・断熱材で断熱性能を高めるほか、室内環境を整える効果的な24時間換気の計画が必須です。

まとめ

重量鉄骨の家は強度や間取りの自由度の点でメリットがある一方、建築費などの点でいくつかのデメリットがあることをお伝えしました。
「災害に強く広々とした家をつくりたい、けれど予算に限りがある」という方には、重量鉄骨造はとてもおすすめの構造です。

カヤノキ建設は、地域密着型の建築会社として、大阪で重量鉄骨造の建築を数多く扱ってまいりました。
一級建築士とのコラボレーションで、品質・デザインについても妥協のない建築をお約束します。住宅以外にも、工場、倉庫、事務所ビルといった建物の施工が可能です。
大阪で重量鉄骨造をご検討の方は、カヤノキ建設までお気軽にご相談ください。