投稿日:2023年11月15日
最終更新日:2023年11月18日
重量鉄骨鉄骨二世帯住宅

後悔しない完全分離の二世帯住宅|重量鉄骨造で自由な間取りも防音性も確保する

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WRITER 中村しょう子
建築士
二級建築士/建築専門ライターとして活動。 二児の母としても奮闘中! カヤノキ建設ウェブサイトのコラム執筆を担当しております。
後悔しない完全分離の二世帯住宅|重量鉄骨造で自由な間取りも防音性も確保する

後悔しない完全分離の二世帯住宅|重量鉄骨造で自由な間取りも防音性も確保する

親世帯と子世帯が同居する二世帯住宅は色々なタイプがありますが、なんといっても共有する部分がほとんどない「完全分離型」が人気です。二世帯でも程よい距離感が欲しい、という方が多いのでしょう。
しかし、完全分離型でも騒音や間取りで後悔する方は少なくありません。
今回は、そんなデメリットを払拭する重量鉄骨造での二世帯住宅づくりについてご紹介します。満足度の高い二世帯住宅を建てたいとお考えの方は、ぜひ参考にしてください。

二世帯住宅「完全分離型」での後悔ポイント

二世帯住宅「完全分離型」での後悔ポイント イメージ

近年、二世帯住宅への注目度は高まっています。
二世帯住宅の一番のメリットは、高齢者の見守りや子育てのサポートが可能といった「相互補助ができる」という点に他なりません。その反面、核家族の暮らし方に慣れた現代の人々にとってプライバシーが守りにくい点は大きな問題です。
二世帯住宅は共有スペースの度合いによって「完全同居型」「部分共有型」「完全分離型」に分けられます。玄関さえ別になる完全分離型ではデメリットを感じにくいと思われますが、それでも後悔する声は後を絶ちません。
二世帯住宅を成功させるためには、まずどのような点で後悔が多いのかを知ることが大切です。完全分離型の後悔ポイントを詳しく見ていきましょう。

生活音・騒音について

最も後悔が多いポイントは「音」についてです。

  • 子どもの遊ぶ音・声がうるさい、または静かにするよう常に気を張ってしまう
  • 寝室の上に階段があり、昇り降りの音が気になる
  • 耳の遠い親世帯のテレビ音が大きくてうるさい

双方の騒音だけでなく、生活時間帯のズレによりちょっとした生活音が気になってしまう場合も。
ママ友や配達業者の出入りに聞き耳をたてられてツライ、という意見もあります。

間取りについて

完全分離型であっても、間取りについての後悔は少なからず考えられます。

  • 子世帯は4人、親世帯は2人なのにフロア面積が同じ
  • 浴室やトイレが居室の上で用を足しづらい
  • 相手世帯の広さを考慮したら収納スペースが足りなくなった

それぞれの位置関係のほか、広さの割合についても不満が多いようです。
特に、どちらかの費用負担が多い場合には意見を出しづらいケースも考えられますが、計画段階では妥協せず要望を伝え協議していくことが大切です。

費用負担について

二世住宅は通常の家に比べ床面積や設備が2倍必要になるため、建築費用は大幅にアップします。
親とのペアローンの場合は借入可能額も上がりますが、現実的なローン金額か、親の退職後や自身のキャリアチェンジが起きても支払いが可能かを、入念に検討しましょう。
さらに、光熱費やメンテナンス費用の分担についても問題の火種となる可能性があります。事前に相互で取り決めをして後悔を未然に防ぎましょう。

重量鉄骨で二世帯住宅をつくるメリット

重量鉄骨で二世帯住宅をつくるメリット イメージ

間取りの自由度が高い

重量鉄骨造は、厚さ6ミリ以上の重い鋼材を使用してスパンの長い頑丈なフレームをつくります。
一般的な住宅よりも規模が大きい二世帯住宅にピッタリの構造です。
木造などでは通常「耐力壁」という耐震上必要な壁を、上下階で重ねるか市松状に配置するといった制限が生じます。重量鉄骨造ではそれらを考慮する必要がないため、間取りの自由度は非常に高いといえるでしょう。
親世帯または子世帯の間取りに囚われない、自由なプランが計画可能です。

防音性が高い

防音性は低いと思われがちな鉄骨造ですが、重量鉄骨造は違います。
重量鉄骨造では、柱が太く壁をつくる石膏ボードを2枚張りするため、防音性は木造や軽量鉄骨よりも防音性が優れるのです。
二世帯住宅の防音対策はやってもやり過ぎることはない、と言われるほど。
重量鉄骨造の防音性に加え、防音シートなど建材による対策を講じれば、二世帯でもプライバシーを十分に確保した住まいが実現できます。

耐震性が高く3階建てもOK

太く頑丈なフレームで構成される重量鉄骨造は、高層ビルやマンションなどの大型施設にも採用され、耐震性にも非常に優れた特徴を持ちます。
二世帯住宅で採用されやすい3階建てにも最適です。高さ方向の制限も少ないため、一部を吹き抜けやインナーガレージにするといった立体的なプランも検討できます。
さらに、木造では工夫が必要な陸屋根(平らな屋根)も採用しやすく、ルーフバルコニーなどもプランニング可能です。

リフォームがしやすい

木造や軽量鉄骨に比べ構造体の耐久性が高い重量鉄骨。
防錆処理などを適切に行うことで、50年以上は難なく強度を維持できます。
二世帯の家族構成が変化した際にも、全く異なる間取りに変更することができるでしょう。
また、二世帯住宅は不動産市場で売却しにくいというデメリットがありますが、間取りを変更することで価値を維持できる可能性が高まります。

まとめ

二世帯住宅での後悔ポイント、重量鉄骨造で二世帯住宅をつくるメリットについてお伝えしました。
一般的に多い後悔、自分たちの優先すべき内容をよく考慮して、二世帯で納得できる住まいのかたちを検討しましょう。

大阪を拠点とするカヤノキ建設は、重量鉄骨造の豊富な建築実績があります。
一級建築士をメインとしたチームを組み、お客様のご要望をしっかりと聞きながら魅力的で快適な家づくりをご提案いたします。
皆さまのマイホームに対する理想や思いをぜひお聞かせください。