投稿日:2023年9月15日
最終更新日:2023年9月15日
重量鉄骨鉄骨木造

木造と鉄骨造を徹底比較!家を建てるならどっちがいい?

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WRITER 中村しょう子
建築士
二級建築士/建築専門ライターとして活動。 二児の母としても奮闘中! カヤノキ建設ウェブサイトのコラム執筆を担当しております。
木造と鉄骨造を徹底比較!家を建てるならどっちがいい?

木造と鉄骨造を徹底比較!家を建てるならどっちがいい?

「木造と鉄骨造はどちらがいいのだろう?」
「木造と鉄骨造は住み心地に違いがある?」
家づくりや住宅購入の際に、そんなお悩みを持つ方も少なくはないでしょう。
今回は、木造と鉄骨造の特徴をご紹介したうえで、二つの違いを徹底的に比較します。
それぞれの違いをきちんと知ることで、自分にとって本当に快適で満足度の高いマイホームを手に入れられますよ。

木造と鉄骨造の特徴について

木造と鉄骨造の特徴について イメージ

木造の特徴

日本の住宅で多くの割合を占めるのは木造です。
柱や梁といった構造材に木材を使用し、高温多湿な日本の四季・風土に適した構造として、古より日本人と暮らしを共にしてきました。
木造の建て方はいくつかありますが、現在主流となっているのは次の二つです。

  • 在来工法(木造軸組工法)
  • ツーバイフォー工法(木造枠組壁構法)

鉄骨造の特徴

鉄骨造は躯体に鋼材を使用した構造です。
鋼材の厚みにより「重量鉄骨造」と「軽量鉄骨造」に分けられます。厚さ6㎜以上の鉄骨を重量鉄骨、6㎜未満の鉄骨を軽量鉄骨と呼び、工法や建築できる建物のタイプも変わります。

軽量鉄骨造の工法は、鋼材の骨組みを対角線のブレースで補強する「ブレース工法」のケースがほとんどです。軽量鉄骨造は木造と同様、住宅やアパート建築に多く採用されます。

重量鉄骨造では一般的に、柱と梁をボルトと溶接で連結する「ラーメン工法」が採用されます。
強固なフレームのみで構造が保たれるため、壁位置や天井高さに囚われない自由度の高さが特徴。強度の高さから、住宅のみならずビルやマンションなどの大型建築にも採用される構造です。

木造と鉄骨造 8つの比較

木造と鉄骨造 8つの比較 イメージ

それでは実際に、木造と鉄骨造をさまざまな項目で比較していきます。

コスト

木造:〇
鉄骨造:△

気になる建築費用ですが、一般的には「木造 < 軽量鉄骨造 < 重量鉄骨造」の順で単価が高くなると言われています。
しかし近年はウッドショックや社会情勢の変化の影響もあり、木材も鋼材も価格が不安定です。実際には建築会社のコスト設定によるところが大きく、個々のケースでの見積もり比較が必要でしょう。

耐震性

木造:〇
鉄骨造:◎

特に重量鉄骨造は耐震性に優れている傾向がありますが、一概に工法での比較は簡単ではありません。実際には一棟ごとの耐震性を判断する「耐震等級」に注目しましょう。

断熱性

木造:◎
鉄骨造:〇

鉄は木よりも350倍も熱を通しやすい性質を持ちます。
そのため、構造単体で見ると断熱性では木造が圧倒的優位に。ただし、家の断熱性能は構造だけでなく断熱材や窓の性能によって大きく変わることを考慮しましょう。

気密性

木造:◎
鉄骨造:〇

外気の影響を受けにくくする「気密性」。鉄骨造は木造に比べ構造体が少ないため、空気の抜けができやすく気密性も劣る傾向にあります。

間取りの自由度

木造:〇
鉄骨造:◎

重量鉄骨造は構造となる柱や壁が少ないため、横にも縦にも自由度の高い設計が可能となります。
近年は、木造でも集成材や工法の研究が進み自由度の高い空間が実現できるようになってきましたが、まだまだ一般的でないのが実情です。

シロアリ耐性

木造:△
鉄骨造:〇

鉄骨造は木造に比べ、シロアリ被害や腐食の可能性が少ない点がメリットのひとつです。
しかし、結露によるサビや構造以外の木質材料腐食などの可能性がある点は理解しておきましょう。

品質の安定性

木造:〇
鉄骨造:◎

鉄骨造の鋼材はすべて工場で生産されるため、安定した品質が保たれます。
木造の構造材も現在はプレカット工法(工場での機械加工)によるものがほとんどですが、組立を行う職人の腕や天候は少なからず品質に影響を与えます。

固定資産税

木造:〇
鉄骨造:△

建物部分にかかる固定資産税は、建築物の「法定耐用年数」を基準に算出されます。
建物の耐用年数が長いほど評価額が上がるため、短い方が節税といえます。構造ごとの耐用年数は以下のとおり。

  • 木造:22年
  • 軽量鉄骨造:27年
  • 重量鉄骨造:34年

固定資産税は長期的な費用負担となるので、事前に納税額のシミュレーションをしておくと安心です。

まとめ~木造と鉄骨造、結局おすすめなのはどっち?~

今回は、木造と鉄骨造について8つの項目で比較しました。
おすすめの構造については、自分が優先するべき項目でどちらが優位かを確認することで傾向が定まるでしょう。
しかし、近年は建築研究が進み、それぞれのデメリットを払拭する技術が日々生まれています。初めから工法を絞り込まず、敷地条件や予算などのケースに応じて、理想を最大限に実現できる工法を検討することをおすすめします。

カヤノキ建設では「理想の住まいづくり」をモットーに、お客様とともに地道な努力で成長を重ねてまいりました。
大阪での地域密着型地元企業としての特性を生かし、100%自社施工で品質を保ちながらコストカットも実現します。
重量鉄骨造の家づくりなら、ぜひ当社までお気軽にご相談ください。