投稿日:2023年9月28日
最終更新日:2023年9月28日
重量鉄骨鉄骨防音

重量鉄骨造はうるさい?木造・軽量鉄骨との比較や防音対策をご紹介

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WRITER 中村しょう子
建築士
二級建築士/建築専門ライターとして活動。 二児の母としても奮闘中! カヤノキ建設ウェブサイトのコラム執筆を担当しております。
重量鉄骨造はうるさい?木造・軽量鉄骨との比較や防音対策をご紹介

重量鉄骨造はうるさい?木造・軽量鉄骨との比較や防音対策をご紹介

マンションやビルのみならず、住宅でも多く採用される丈夫な鉄骨造。しかし「音漏れがしてうるさい」というイメージを持つ方もいるかもしれません。
実は、鉄骨の中でも「重量鉄骨造」は防音性に優れているのです。
今回は、重量鉄骨造の防音性について木造・軽量鉄骨と比較、防音性をさらに高める方法についてお伝えします。

重量鉄骨造の防音性はどのくらい?

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そもそも重量鉄骨造とは

木造に次いで住宅の構造に採用されることの多い鉄骨造ですが、その種類は「軽量鉄骨造」と「重量鉄骨造」に分けられます。

軽量鉄骨造

厚み6㎜未満の鋼材を使用した鉄骨造。柱梁の間を筋交い(斜めの構造材)でつなぐブレース構造が基本のため、木造に近い間取り設計となります。

重量鉄骨造

厚み6㎜以上の鋼材を使用した鉄骨造。頑丈な柱梁をボルトと溶接で緊結するフレーム型のラーメン構造が一般的で、壁や柱位置にとらわれない自由度の高い設計が可能です。

重量鉄骨造の防音性は木造・軽量鉄骨よりも高い

鉄骨造は防音性が低いと勘違いされることも多いのですが、重量鉄骨造の防音性は木造や軽量鉄骨造よりも優れています。軽量鉄骨造については木造よりもやや優れている程度。
ポイントは「壁の厚み」です。
重量鉄骨造は柱が太く、石膏ボードを2枚張りするために壁が厚くなります。木造や軽量鉄骨造は柱の細さに加え、石膏ボードも1枚張りが基本のため遮音性が劣るのです。

また、伝わりやすい音の種類にも違いがあります。
重量鉄骨造は、ドアの開閉音や子供の走り回る音など重低音で響く音は聞こえやすく、人の話声やテレビの音、目覚まし時計のアラームなどの高音の生活音は響きにくい特徴があります。

重量鉄骨で防音性を強化する方法

重量鉄骨で防音性を強化する方法 イメージ

木造や軽量鉄骨造に比べ防音性に優れる重量鉄骨造ですが、さらに防音性を強化するには構造以外の部分での工夫が必要です。以下に見ていきましょう。

外壁材

家の防音性は、構造の素材以上に壁の構成が重要な要素となります。
住宅の外壁は一般的にサイディングを使う場合が多いですが、より高い防音性を求めるなら「ALC」の採用がおすすめです。
ALCは気泡の入った硅石からできたパネル状の外壁材で、防音性だけでなく、断熱性・耐火性に非常に優れた性質を持ちます。外壁材としての強度も申し分なく、台風などの災害にも万全な安全性を誇ります。
幹線道路沿いや市街地、学校や公園のそばで外部の騒音が気になるという場合に採用されるケースが多いようです。

断熱材

床・壁・天井に施工し、室内外の熱の出入りを防ぐ断熱材。
製品によっては、吸音・防音効果のある断熱材が存在します。外壁部分だけでなく、間仕切り壁に施工することで部屋同士の遮音性を高めることもできます。

内装での工夫

建築工事でなく、簡易的に防音性を高める方法もいくつか紹介します。

  • 吸音マット・シートを貼る
  • 防音タイプのカーテンをかける
  • 厚みあるじゅうたん・ジョイントマットを敷く

吸音マットはDIYでも簡単に設置できるようなサイズのものをネットショップなどで購入できます。
また多少の防音対策であれば、カーテンやじゅうたんなどで事足りるケースもあります。予算と必要性に応じて対策を考えてみましょう。

まとめ マイホームの構造選びで後悔しないためには

重量鉄骨造の家は、木造や軽量鉄骨造に比べ防音性が優れていることをお伝えしました。
しかし、実際の防音性は材料の組み合わせによっても大きく異なります。
マイホームを建てたあとに後悔しないためにも、さまざまな住宅を体感してみることが大切です。住宅展示場や現場見学会に積極的に足を運び、デザインや間取りだけでなく、構造や建材についても注目してみましょう。

カヤノキ建設は、大阪での重量鉄骨造の豊富な建築実績があります。
一級建築士とのコラボレーションで、品質・デザインについても妥協のない建築をお約束します。工場、倉庫、事務所ビルといった建物についても施工可能です。
防音性の高い快適な住まいを目指したいとお考えの方は、カヤノキ建設までお気軽にご相談ください。